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イヌイットとは
イヌイットとは、極めて寒冷な地域である、アメリカ合衆国のアラスカ、カナダ北部、デンマーク領のグリーンランド、ロシア北極圏のシベリア極東部などのツンドラ地帯などに住んでいます。イヌイットは、人種的には日本人と同じモンゴロイドです。
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イヌイットは日本人と同じように、生魚を食べます。ほかにもオットセイやセイウチ、クジラ、トナカイなどの生肉を食べます。その理由は、彼らが住む地方では不足がちなビタミンを補うためです。
かつて呼ばれていたエスキモーという言葉には「生肉を食らう野蛮人」という侮蔑の意味もあったため、今では彼らの言葉で「人々」を意味するイヌイットと呼ばれるようになりました。
彼らの食事は、上に挙げた海産物が中心で、野菜はほとんど摂りません。そのため、脂質の摂取量は非常に高く、欧米人と比べても遜色ありません。
イヌイットは心筋梗塞による死亡率が極めて低い
しかし、驚くべきことに、イヌイットは心筋梗塞や動脈硬化などの心血管疾患の発症率や死亡率が極めて低いことが知られています。1970年代にデンマークの医師が行った疫学調査では、イヌイットの心筋梗塞による死亡率はデンマーク人の10分の1以下でした。
秘密は、オメガ3系脂肪酸 EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)にあった
では、なぜイヌイットや漁村住民は心筋梗塞が少ないのでしょうか?その秘密は、魚に多く含まれるオメガ3系必須脂肪酸にありました。オメガ3系必須脂肪酸とは、人間の体では作ることができないため、食事から摂らなければならない脂肪酸で、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などが代表的です。
研究では、イヌイットとデンマーク人が摂取する脂肪の割合は、どちらも摂取カロリーの約40%前後でしたが、脂肪の質が違っていました。イヌイットはオメガ3系脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の割合が高く、オメガ6系脂肪酸のアラキドン酸の割合が低かったのですが、デンマーク人は逆でオメガ6系脂肪酸のアラキドン酸の割合が高く、オメガ3系脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の割合が低かったのです。
オメガ3系脂肪酸 EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)
オメガ3は、マグロ、イワシ、ブリ、サバ、サンマなどの青魚や、くるみやアーモンドなどのナッツ類、アマニ油やえごま油といった植物油に多く含まれています。
イヌイットの1日あたりのオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の摂取量は13.4gにも達するといいます。現在、日本の厚生労働省が推奨する目標値が1日あたり1gですから、私たち日本人の実に10倍以上!
オメガ3系脂肪酸は、白血球の働きを抑制し炎症を抑制したり、血栓を予防しますので、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの予防に効果を発揮します。
オメガ6系脂肪酸
オメガ6系脂肪酸は、肉、魚、卵、ナッツ類に多く含まれています。植物性油では、サラダ油、胡麻油、コーン油、ひまわり油などに多く含まれています。
オメガ6系脂肪酸は生体に必要な脂肪酸ですが、摂取しすぎると心疾患や炎症、がんを促進します。
オメガ6系脂肪酸は、白血球を活性化して体内に入ってきた細菌などと戦う環境を作りますが、過剰になると自分の血管なども攻撃してしまい動脈硬化を促進させるといわれています。その結果、心筋梗塞などの心疾患が多くなるというわけです。
(逆にオメガ3系脂肪酸は、白血球の働きを抑制し炎症を抑制します。これがオメガ3系脂肪酸が健康に良いといわれる所以です。)
まとめ
欧米人と同じく高脂肪食を摂っているイヌイットが、欧米人と比べて心筋梗塞などの疾患が極めて少ない理由は、魚などから摂取しているオメガ3系脂肪酸にありました。
私たちも、イヌイットのように、魚を積極的に食べることでオメガ3系脂肪酸を増やし、オメガ6系必須脂肪酸を減らすことで脂質のバランスを整えることが大切です。
また、魚だけでは不足する場合はサプリメントなども利用することがおすすめです。オメガ3系必須脂肪酸は心筋梗塞だけでなく、糖尿病や認知症などの予防にも効果が期待されています。海から得られる恵みを活用して、心も体も健康になりましょう。